オオミズアオとオナガミズアオの比較(高知県産)
いちばん多く発生する春型♂を比べてみました。
オオミズアオ Actias aliena aliena やや大きい。(前翅長:53〜57mm) はねの色が濃い。 幼虫の食草はバラ科、ブナ科、カバノキ科、ミズキ科 個体数は多く、低山地から高山にかけて広く分布している。 |
オナガミズアオ Actias gnoma gnoma やや小さい。(前翅長:48〜52mm) はねがやや半透明で薄い感じに見える。 幼虫の食草はカバノキ科(ハンノキ、ヤジャブシなど) 四国では個体数が少なく、高山で局地的に分布している。 (共存している場所ではオオ:オナガが10:1程度の割合) |
両方とも高知県いの町よさこい峠で2007年6月5日に撮影 |
触角はオオミズアオが茶色、オナガミズアオが黄緑色をしている。(例外もあるようだ。)
前翅先端はオオミズアオが丸まり、オナガミズアオはとがる。
前翅眼状紋はオナガミズアオの方がやや大きい。
前翅外縁はオオミズアオが波状で、オナガミズアオは直線が弓状に反った形状になる。
後翅の眼状紋はオオミズアオが小さくて丸い。
オナガミズアオは大きく、右下の薄黄色部が目立って大きい。
これらの特徴は個体変異があり、すべて合致するとは限らないので総合的にみて判断する必要がある。
尾の長さはあまり差がない。(オナガの名称に影響されないようにすること)
なお、講談社の日本産蛾類大図鑑ではオナガミズアオは四国が分布域に入っていない。